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『ただいま、また来たよ』

窓を開けると
冷たいカラダをしたヘビが 僕のうでにまきついた
僕は少しの間
動けなくなってしまって
しかたなく空を見た
つめでひっかいたら はがれそうな星形のシールが
二つだけ見えた
二つだけだけれど 力強く 僕を見てた

時間が止まったみたいだった
音もなく
光もなく
ただ ヘビと星形シールが僕を知ってるだけ

なんとなく
ほんとになんとなくだけれど
懐かしい感じがした

どっかで「おかえり また来たね」って声がした
だから僕は うれしくなって
「ただいま また来たよ」って言ったんだ

ここで間違ってなんかいなかったんだ
よかったって思った
そしてヘビは どこかへまた消えた
やっと動けるようになった僕は
窓をそっと閉めた
さっきより部屋が
少しだけ あったかいような気がした
んで 僕はますます
うれしくなったんだ


01.9.19


※co/core掲載詩
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by basketworm | 2005-10-14 15:11 | ココロノヒキダシ

『ため息ではなく』

たくさん吸って
たくさん吐く

カラダとココロの不純物を取り除くように


何回も何回も何回も

深く吸って
長く吐く


カラダとココロの空気をすべて入れ換えるように



ため息ではなく



05.10.13
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by basketworm | 2005-10-13 20:23 | ココロ

『笑顔のために』

部屋には大きな窓がありました。
少年はその窓から外を眺めるのが好きでした。
朝は窓の外を眺め、風に揺れる木とその枝で歌う小鳥を見ていました。
昼になれば、きらきら輝く太陽とその向こうを流れる雲を見ていました。
夜の窓の外には、静かに流れる星とその隣のとんがった月がありました。

来る日も来る日も窓の外を眺めていました。
いつかあそこに行きたい。
窓の外の空気を吸ってみたい。
そう思いながら。

ある夜、少年は窓に近付いてみました。
そこには誰かの瞳がありました。
誰なんだろう。こっちを見ている。
自分と同じくらいの大きさの瞳が、興味深げにこっちを見ています。
普段わがままを言わない少年は、お医者さんに無理を言って特別な許可をもらい、外に出ることを許されました。
少年は嬉しくなって飛び出しました。

けれどそこには誰もいませんでした。
いくら探しても、誰もいませんでした。
窓に近付くと、誰もいないベッドとその向こうに優しいお母さんの顔がありました。
少年は急いで部屋に戻りました。
そこはあったかくて、優しいにおいがしました。

お母さんの姿を見ると少年はなんだかうれしくなりました。
笑いながら窓を見ると、さっきはいなかった誰かが窓の外にいました。
その瞳は幸せそうに笑っていました。
少年はさらにうれしくなって、もっと笑顔になりました。

それからも少年は窓の外を見続けています。
けれど、もう外に出たいとは思わなくなりました。
外に出るともう一人の誰かがいなくなり、部屋ではお母さんが一人になるからです。
そして、窓の外の瞳のために、少年はいつでも笑っていようと思いました。
自分が笑えば、外の瞳も笑ってくれるからです。


いくつかの季節が過ぎ、少年が瞳を閉じる時、ベッドの上の少年と、窓に映ったもう一人の少年の顔はどちらも幸せそうな笑顔をしていました。


そのとき窓の外からは幸せそうな家族の姿が見えました。
窓の外で少年は、いつまでも笑っていました。
部屋の中のみんなを笑顔にしたくて、いつまでもいつまでも笑っていました。




05.10.10
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by basketworm | 2005-10-10 18:09 | ココロ

『炭』

心の隅に追いやった想いは
いつしか
心に住み着いた

澄み切った空を見上げる度
僕は思い出すようになっている

心の隅に住み着いた炭に



あったかくて静かで
それでいて力強くて消えない想い

激しく燃え盛る炎のあと
心の中に出来上がった炭は

煙をあげて燻ることもなく
ただ静かに、輝く時を待つ



ただ静かに、風を待つ



05.10.7
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by basketworm | 2005-10-07 02:26 | ココロ

開設一周年。

どうやら一年前の今日『はじまり』を書いたみたいですね。

あれから一年。

いろんな人に出会い、いろんな人と別れ、笑い、泣き、一年が過ぎました。

ミノムシの声に耳を傾けてくれるみなさんのおかげでここまで来れました。


あんなこともあったなぁ。
こんなこともあったなぁ。
そう思いながら読み返したりしてます。


これからも僕は、空を飛び回る鳥ではなく、ぶら下がって風に吹かれるミノムシでい続けたいと思います。
うん。僕はこれからも虫けらとして生きます。


ミノムシノココロ。
よかったらこれからも、この小さな声に耳を澄ませていただければうれしいです。


今までのココロの中で、読んでくれてるみなさんの好きなココロはあるのかなぁ、とかちょっと気になったりするのは僕の独り言です。


ちなみにエキサイトブログもケータイ対応になったみたいですね。
ココロも持ち歩けるようになったわけですね。
落としたり忘れたりしないようにしなきゃなぁ。
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by basketworm | 2005-10-05 22:13 | お知らせ