カテゴリ:ココロ( 169 )

『誰も知らない』

誰も知らない名前の花が咲いた
いつも通りの朝に
世界は少しだけ色を変えた
放課後、じっくり眺めようって
歩き始めた僕は数時間後
その思いさえ忘れたんだ

誰も知らない名前の花は
名前も知らない誰かに踏みにじられてしまって
もう図鑑でも調べられない
僕はその、ぐちゃぐちゃになって
混ぜこぜの色でしか知ることはできないその花の前で
泣くことも無く
世界の成り立ちを知る

きっと僕は放課後
その花を摘み取り
得意げに跳ねただろう
名前も知らない花だから
誰に見せるわけでもなく
しばしの自己満足
そしてそののち僕は
名前も知らない花を棄て
家路についたのだろう

踏みにじられた花は
その生を未だ保っていて
摘み取られずにすんだことを幸いにして
それが花であると
己は華であると
確固たる主張を持っている


踏みにじられた誰も知らない名前の花の残骸は
かの画家が描いた花の色彩に酷似していて
細切れになった花弁からも
はっきりとした意志が溢れていて
放課後の色とは至極不釣り合いで

それで僕はなんとか
自分の色を見つけたんだ


13.1.16
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by basketworm | 2013-01-16 03:03 | ココロ

『スキキライ』

好き、嫌い、好き、嫌い、、、、
最後の一枚に託す思い

花弁でスキキライを占ってた時代は僕にもあったよ
でも今はしない
あの頃は気付かなかったんだ
その花が咲いてる意味に

それだけでいいじゃないか
そこ咲いている花を見て
あったかい気持ちになる
それだけで、いいじゃない


12.12.19
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by basketworm | 2012-12-19 00:28 | ココロ

『雨のち晴れ』

今は
雨に打たれ
ただただ、耐え
いつしか雨などなかったように
空は晴れ
衣服も乾かぬまま
ただただ、前へ


12.11.1
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by basketworm | 2012-11-01 02:35 | ココロ

『道程』

長い、長い
酷く曲がりくねった一本の道
それにこの道はとても細くて
油断してると足を踏み外しそうになるし
よそ見なんかしたものなら蛇にだって噛まれる
例えボロボロになりながらでも
それでも
僕は諦めたりしないから
そのときは君に
シロツメクサで作ったネックレスをかけさせてくれるかい?
雨はやむだろう
虹は出ないかもしれない
ぬかるんだ道を
ずぶ濡れのスニーカーでドロドロになって
引き返せはしない一本道のその先
僕はいつか辿り着く
大丈夫、大丈夫だから
そう言い聞かせて
ベールを上げるのは、僕しかいないんだから
そう呟いて


12.10.23
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by basketworm | 2012-10-23 02:35 | ココロ

『ひかり』

どこにでもあるような
そんな薄暗い廊下を歩いて
なんとなく行き着いたのは
ギラギラと輝くローソン

深夜のそれは暖かさとはかけ離れていて
流れる有線のヒット曲
それも心境とはかけ離れていて
なんだか笑える

穏やかな、暖かな、静かな
そんな暮らしなんてしたくなかった
こうじゃない、こうじゃないんだって
そうやって歩いてきたのに
皮肉だね

欲しいものは穏やかな暮らし
いつまでも続くメロディに身を委ねて
朝が来るのを心待ちにするような
なんとなく続く毎日

消えない過去も
これから続く未来も
何もかも全部
大層なものじゃなくたっていいのに
あたりまえの
なんとなく明るい、そんなものでいいのに

無音の街にギラギラと輝いてる深夜のローソンに
僕の欲しいものは売ってないんだ


12.9.4
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by basketworm | 2012-09-04 03:29 | ココロ

『わたあめ・ドリーム』

サーカスの夜にふと空を見上げる
静まり返ったテントの向こうに
頼りない月が浮かぶ
昼間は行き交う人の波があって
その波にまぎれて子象が歩いた細い通路も
こうして見ればゆったりとした道なんだ

叶わなかった夢をみる
大事にしまった財布の中のチケット
その日付、時間は見えない未来で
サーカスの夜
僕は重大なミスをした
まさか明日夜、、、
一日違えばサーカスは夢と消え
もちろんピエロも笑わない

遠く、花火の音
どん、、、
ばらばらばら、、、
どんどん、、、
ばらばら、、、
ここから見えない花火も
騒がしいはずだったテントも
今は夢と消え

あやふやなものを掴む
綱渡りの毎日
転がる玉の上を
泣き笑いして
ぐるぐる回って宙を舞い
小さな箱の上で
誇らしげに胸を張る

消える、消える
佇む僕の影も


12.7.25
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by basketworm | 2012-07-26 02:12 | ココロ

『傘』

透明な傘
ひとりで歩くにはいいよね
大きな傘
荷物背負って歩くにはぴったりだ

でもあの日、思ったんだ
この傘が透明じゃなければ
この傘がもっと小さければ

ふたりで歩く雨の道
僕の傘が透明じゃなければ
僕の傘がもっと小さければ

キスもできたし
もっと近付けた

雨の日が苦手な僕だけど
傘を選びに出掛けよう

ふたりで歩くのに
ぴったりな傘を探すんだ


12.6.17
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by basketworm | 2012-06-17 02:47 | ココロ

『雨の日の過ごし方』

雨の日のカタチを変えてみよう
感情に任せて何本ものカサを犠牲にしたけれど
もう二度と無駄にしないように

雨の日は映画を観よう
膝がぶつかる距離で
たっぷりのビールと少しの休憩で

雨の日は散歩にいこう
一本のカサで
目的地を決めずに

雨の日はダラダラしよう
締め切った部屋で
のんびり笑おう

雨の日はケンカをしよう
いつか晴れて
虹が出るまで

雨の日のカタチを変えていこう
のんびりと
幸せのカタチを変えていこう


12.5.30
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by basketworm | 2012-05-30 01:48 | ココロ

『無題』

君がそれを幸せと呼ぶのなら
たぶんそうなんだろう
穏やかな目で僕を見る
まるでよく晴れた夏の
風のない湖のような
物音のしない世界に
二人だけ取り残されて
何度も何度も抱き合った
歯止めのきかない感情に
苦笑いしながら
何回も何回も
幸せと君は言った

だから君がそれを幸せと呼ぶのなら
たぶんそうなんだろう


つまり不幸せと幸せの間にしか
現実なんて存在しえないんだろう


12.4.13
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by basketworm | 2012-04-13 17:23 | ココロ

『Dear』

小さな光をたくさん集めて
優しい、大きな光にしよう
そう思って集めてた光
少しずつでいいやって
ゆっくり、でも確実に集めてた

気がつくとそれはいつの間にか
巨大な影を作ってしまっていて
僕が苦笑いして眺めてる、その光の中心には
チクタク囁く時計が現れて
それはまるでスポットライトのようで

あぁ、僕はこのチクタクの為に
一生懸命材料揃えてたんだなぁ、って
苦笑いは次第に爆笑に変わったよ
その影すら消してやる
薄らとした決心を行動に移す度
中心の照度は上がっていく

くれてやるよ
抱え込めるとは到底思えないけれど
くれてやる
何も知らなくていい
おまえが背後に潜む影に気付かないように
その必要がないように
目が眩むような未来を見てりゃいい

そうね
光源は僕だった
だから僕は影に気付いたんだ
チクタクは照らされて
光源の向こうの僕は今は見えない
でもいつしか僕も巨大な影になるんだろう

一度でいいから
スポットライト浴びたかったけれど
目の眩むような未来を感じたかったけれど
逆だったね、Dear
照らすものはそっちじゃなかったんだ
気付いたときにはもう遅い
チクタクの針は進んでしまった

光りを集め
集めた光を束ねて
今度は僕自身が輝けるように
不安な夜に
少しだけでも優しく、安心できる光に
僕の未来は繋がってる


12.3.20
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by basketworm | 2012-03-20 14:43 | ココロ