『遺失』

イライラして投げ捨てたそれは
きれいな放物線を描いて
夜の黒に溶け込んだ

手元を離れたその瞬間に
後悔の波が押し寄せて
慌てて探しに行ったけれど
すでにそれは遥か彼方で


たとえ僕の手元に帰ってくるようなことがあってもきっと
それはもう今までのそれではなく
全く別のモノになってるんだろう
だから、もういらない


そんな負け惜しみを口に出してみたけれど
やはりどこか悲しくて

長く、深く
ため息をひとつ
吐き出した


ため息もまた
夜の黒に溶けて
すぐに見えなくなった


どうせなら僕自身も
夜の黒に溶け込めたらいいのに

溶け込むにはあまりにも
異質



06.7.3
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by basketworm | 2006-07-03 04:02 | ココロ


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