『kite』

離しちゃダメだよ
そう、しっかり握っておいて

天高く舞い上がる透明のカイト
透けて見える向こうの空はどこまでも広くて

ぶんぶんぶらりと振り回されて
風を吸い込みどこまでも

繋がった糸を辿れば
そこにある小さな手、あたたかい


離しちゃダメだ
しっかりと握っておかないと

天高く舞い上がった透明のカイト
バランスを失った瞬間の空は上も下もわからなくて

ぐらりぐるぐる景色は回る
風に打たれてどこまでも

糸の先を辿っても
虚空を彷徨う持ち手、つめたい


落ちる
落ちるよ


ねぇ
あなたは泣いていた

ぐるぐる回りながら
もみくちゃになりながら
上昇するより三倍のスピードで落下しながら
あなたは泣いていたの

ねぇカイト
叩き付けられた地面の温度も
バラバラになった骨組みの痛みも
透明なあなたの向こうの景色も
知ることはできないの


どこにいるの、カイト
そんな目をしないで、カイト
もう空を飛べない
風を吸い込むことも
空を映すこともできないけれど


ねぇカイト
飛んでいけると思ったから
いつか話してくれた
雲の上の世界まで
いけると信じてたから

ねぇ
私も泣いていた
泣きながら
めちゃくちゃになりながら
落ちてくるあなたを見て私も
泣いていたの


ねぇkite

早くここにkite

みつけて、私を…

me to kite, what a sick of...
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by basketworm | 2010-11-30 02:54 | 『28のブラックホール』


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